毎月20日21日22日は「どら焼」の日です。
4月 「職人の手」
間口が狭く奥へ奥へと長い「鰻の寝床」と呼ばれる昔ながらの京都の町屋。うちのお店も、一番奥が工場になっています。戸一枚隔てた工場は、空気が違います。ピンと張り詰めていて、お嫁に来たばかりの頃は入るのに、とても緊張しました。実は今でも、ひと呼吸おいてから足を踏み入れています。
私は職人たちがお菓子を作っている様子を見るのが好きです。陽の光が差し込む静かな工場には、餡を炊く甘い香りに、お饅頭を蒸す湯気が立ちのぼる。そんな光景の中、職人たちの手からお菓子が次々に作り出されてゆく。あ〜幸せだなぁ〜と思える瞬間です。
職人を志望してくる者は、中途半端な気持ちではとても続きません。男性でも逃げ出してしまう者も少なくはないのです。現在、工場には一人だけ女性がいます。先日、「とらばーゆ」という女性求人誌から取材を受けました。ふつう、女の子はカメラを向けられると作り笑顔をしてしまうものですが彼女の表情には仕事の厳しさや覚悟が感じられると思いませんか?記事を読んで改めて、彼女の夢や苦労は私などには計り知れないと感じました。
京菓子職人 樫本晴美



