マナー・贈り物

大切なあの人に心をこめて届ける贈り物。相手に喜んでもらうのが、贈り物の基本です。 そして、贈り物には互いを心地よくするためのマナーがあります。 心からの誠意を伝えるためにもマナーを学び、美しい贈り物を目指しましょう。

笹屋伊織10代目女将に学ぶ知っておきたい贈りものマナー

田丸みゆき

笹屋伊織10代目女将 田丸みゆき

帝塚山学院短期大学英文学科卒業後、野村證券株式会社に入社。
その後、中学校の講師を経て京菓子の老舗(創業1716年)「笹屋伊織」の十代目に嫁ぐ。
経営や社員教育、イオリカフェのプロデュースに携わる。
その傍ら女将として培った経験を活かした、各種団体・企業・教育機関への、京菓子文化、おもてなし、 和のセミナーなどの研修・講演が好評。年間80本を超える。

公式Webサイト

タイミング

贈るタイミングはとても大切です。贈り物の内容により、贈るタイミングにもマナーがあります。 例えば、結婚祝いは結婚式の招待状や報告が届いてから。出産祝いの場合は7日過ぎから1ヶ月以内。 またお返しは、3~4週間後に送るのが一般的です。お祝い事はなるべく大安の日を選んで。宅配便で送る場合も、届く日のお日柄を考慮しましょう。 また、訪問してお渡しする場合、ビジネスの場では約束の時間ぴったりに訪問するのが良いでしょう。

 

プライベートで、ご自宅にお伺いする際は約束の時間より5分ほど遅れてお邪魔するのが良いと思います。 もちろん10分以上遅れる場合は、事前に連絡を入れるようにしましょう。

 

御中元 関東→7月1日~15日 関西→7月中旬~8月15日
御歳暮 12月初旬~25日
出産祝 お七夜(生まれて7日)~1か月以内
タイミング

ワンポイント!

 

赤ちゃんを出産したばかりのお母さんには休養が必要です。 宅配便でお送りするか、直接御祝に訪れるなら、産後2~3週間後にしましょう。
内祝いのタイミングは、お祝をいただいてから一か月以内に赤ちゃんの名前で内祝として贈りましょう。

田丸みゆき
言葉を添えて

言葉を添えて

贈り物に小さなときめきがあると嬉しいですよね。贈る方へお祝いや感謝を伝える言葉があるとより良いです。 小さなカードに「いつもありがとう」の一言でも幸せを届けることができます。 ひと手間を惜しまない心は必ず、相手に伝わり笑顔を呼びます。

熨斗の知識

日本人が古くから大切にしてきた贈り物文化。その代表格といえば熨斗(のし)ですね。 熨斗紙は、掛けた方が誠意が感じられます。特に目上の方へ贈る場合は掛けるようにしましょう。 無地のしは無難ですが、本来、熨斗紙の表書きは、贈り物の目的を示すものなので、書き入れた方が良いでしょう。 また、「御祝」だけではなく、「卒業」「入学」「初節句」など、より細かく入れると丁寧な印象を与えてくれます。 お店でよく「内熨斗にしますか?外熨斗にしますか?」と聞かれることもあるかと思います。 どちらが正解・不正解ということはありません。内のしとは、箱に熨斗紙をかけてから包装します。外熨斗とは包装した上から熨斗紙をかけます。 控えめな印象を与える内熨斗は内祝などに適しています。 また、公の場でお渡しする際は、他の方が御祝の用意がないことを考慮して、内熨斗にしておく場合もあります。 表書きが一目でわかる外熨斗は、多くの人に披露する場合に用います。

 

京都を含め関西は内熨斗が多く、関東は外熨斗が多いと言われ、地方によって違います。

熨斗の知識